迷路の答えとなる一本の線を


知りうる者が「沈没しかかっている船の甲板上に」何人いるかだと思う。
この一本の線はあくまでも「結果的に正しい」ことが証明されるのであって、
理論上とか、メンツとか、ハッタリの張り合いとかは関係がない。


圧倒的大多数が「私は答えを知っている!」などと叫び、
2回か3回の曲がり角の指示を「(自称)答え」として押し売りする。
結果が出るころにはその結果責任を取るべき者は消えてしまっている。


有力な(答えの)ルートのようなものもあって、
そのルートのブランドを借りて、怪しげな商売が雨後の筍のように生まれていく。
有名ルートの周辺に怪しげな看板が乱立している様子は繁華街にしか見えない。


船の甲板に巨大迷路が設置されているとすると、
船は沈没に向かって傾きはじめている。
みんな想い想いに叫んではいるものの、誰がその答えの「線」を移動しているのかはわからない。


いくつかの曲がり角で意見の合わない人たちが消えていく。
彼らは別方向に向かった。
出口はあるのか。
というか、沈没なんてしないんじゃ? という人たちも当然出てくる。
「地球」と呼ばれる船の状態に関しても意見はまとまらないし、
現在地も、移動の目的も、ナビゲーションもバラバラだ。


それでも結果はどこかで出る。
誰が、何を見て、どこで行き詰ったのか、いまはどこにいるのか、結果だけがはっきり出る。結果だけが迷路と移動の痕跡を語る。船が沈むかどうかも語る。n190035





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