この世は


(本来は向こう側では接触できないはずの)多階層に接触できるので、選択がより重要になります。そこで知らなければならないのは、「表面は騙せる」ということです。誰と接触しようとも、「自分は他の階層より劣っていると思います、なぜならば(根拠)」と自己申告してくるような(免許を自主返納するような)人たちは例外的(1%)だということです。
明治維新ではほんとうに時代を主導したのは2%に満たない人たちでした。その彼らが残り98%とその時点で会話しても摩擦と妨害にしかならなかったでしょう。表面上は同じ人間に見えて、「(情報の)階層」が異なるのです。嫌味な意味などでは決してなくて、問題意識も目的意識も異なる人がたくさんいるのはふつうのことです。
時代の変化に適した問題意識を持っている人などほんとうにごくわずかではないでしょうか。
いま、明治維新にも劣らない異常な変化の渦中だとすると、変革を理解している階層など2%に満たない可能性が十分にあります。残り98%の意見を取り入れることはミスリードである可能性も。
何を言いたいかと言うと、既存の書店がネット専業の本屋への転換にはハンデを抱えるように、2%の情報と98%の情報を混ぜて捉えることが足かせになりうるということです。時代が急速に変わる中であればあるほど、混ぜるな危険ではないでしょうか。98%にはその階層独特の「重さ」があって、速度が出ない構造や弱点があります。
2%への特化というのは、ちゃんと書くなら
98%を徹底的にいますぐ切り捨てる。ということです。なんだかフィオラにいろいろお説教されており、今日はこういうことを書く気分でした。n0016





分かんないの。仕合せつて何。何れが其れだつてのよ。面倒臭いわ。


と歌ってますが、
「心─意識」はその仕合せを知りません。いくら探しても、地の果てまで、時間のゆるすかぎり探し続けても無理です。見つかりません。
「心─意識」と
「真我─意識」は違うものです。まったく別モノです。
「心─意識」はプレイヤーであり、行為者であり、限界のある、断続する、ブツブツ途切れる主体という想念の塊です。一方で
「真我─意識」というのはアカンダーカーラ・ヴリッティ(途切れることのない体験)が「心─意識」とは「別に存在している」ことに気づく「アンダミラッカン(空間の目)」の発露です。
発露というか、ゲームに没頭しすぎている行為者の肩を揺すって、後ろの存在に気づいてもらうことです。
大変なのはここからで、
ヴァーサナー(魂が引きずる潜在的な癖、汚れ、濁り)が
「心─意識」に引き戻してしまうため、
再び、三度、千数十度、「心─意識」側が「空間の目」が自分とは別モノであることを
「透明人間のように認識できなくなる」という落とし穴があることです。
5年前に書いたラスボスよりもきついと思います。
霊界、や向こう側、魂の世界での認識はこの世でも比較的簡単に実現できます。
問題は、ここに生まれた理由はそうじゃないということなんです。
私たちは魂が引きずるヴァーサナーをいったん海面まで浮かび上がらせて、体験として手触りや感情面での陰(オン)も知り尽くし踏まえてから、「空間の目」で焼き尽くしていくという手順を踏むためにこの世に生まれています。
長くなりましたが、仕合せつて何? は、人間の哀しみと螺旋階段の現実を映してくれていると思うんです。n
(20180504)


エントリー99


を読み直しました。そして5年経過して感じることは、「0秒」に住んでいるという表現は違いますね。わたしたちが「0秒であり0秒でない、在ること」なので、
「0秒以外の者(肉体)であるという思い込みを採用しないことによって」(←これが視線を外す、という努力です)





アカンダーカーラ・ヴリッティ(途切れることのない体験)を生きるようになった





まだまだ少数の日本人の中で、(ここから先が私の本音です)





この世に上中下の三分類があるように、
向こう側の上中下の上に分類される者たちの価値観に学び、習い、従うことです。中と下は無視します。それが身のためです。
具体的には「神界」の意向に沿うことです。
私たちがそれぞれ所属する向こう側の「団や村、家族」というものは
「神界」があってこそ存続しているのであって、今日の写真で見るように「涙」を流す現実に苦闘する人間たちを包む「神界」という「上を見る」ことです。
神界の意向に沿わない在り様が地上には溢れているかららしいです。n
(20180504)


峠力(とうげりょく)について
フィオラは「浄化」の必要性について強調していたことを思い出しました(メモを読み直しました)。しかもニュアンスとしては崖上を歩いているので、足を一歩一歩置く場所、歩き方に気をつけなければ踏み外して落ちるということのようです。一歩一歩浄化していく大事な時期(大事ではない時期があるという意味ではありません)であり、しかもこれは拡大解釈かもしれませんが、(多くの日本人に)死が迫る時期でもある以上、帰還時の魂の浄化の具合によっては後悔が大きくなるため、何が何でも一歩一歩浄化してください、これは緊急です、というメッセージでした。n
(20180504)


マハルシ ブラフマンは全体として分割されないまま存在しています。それは常に実現されているのです。しかし誰もそのことを知らずにいます。人はそれを知らなければなりません。知識とは、「自己(アートマン)とブラフマンは等しい」という永遠の真理の啓示を妨げる障害を克服するための手段なのです。


その障害はすべて





「私は個人として分離している」という観念





で形作られています。
(対話649)


もっとも深い意味では、意識のもつ潜在的創造性がグリッドを決めます。または、別の言い方をすると、すべて神から生まれます。けれどもこの創造力の中にはあなた自身の<個人的な>グリッドも含まれています。あなたのグリッドはあなた自身の可能性や必要性にしたがって創られ、非個人的な神の性質と個人的なあなたの過去やカルマや欲望の両方をあわせもっています。あなたは、いま自分だと思っている人間として姿を現している目覚めた意識です。<あなた>は、完全に目覚めた人間とはどういうものかという可能性のすべてを体験するために肉体をまといます。そこで、まだ体験していないことで体験する必要のあることをグリッドに設定します。自分がすでに体験して理解したことはグリッドに入れません。
たとえば過去生で僧侶だった人がいて、僧侶としての人生が不完全だったとします。僧侶であることを完全に理解する必要があるので、この理解されていない部分が別の人生に戻ってくるわけです。


自分が嫌っている相手や感情を本当に知ると、嫌悪感はなくなります。自分を怖がらせるものや自分にはとても対処できないと思う状況に人は嫌悪感を抱くのです。恐怖を感じる状況をみずから体験しないですむためには、その状況にまつわる心理を感じ取り、理解しようとする意志をもてばいいのです。また、自分とその状況とは何の関係もないのだ、そうした嫌悪したくなる状況を現在演じている人間と自分とのあいだにははっきりとした区別があるのだ、という非現実的な思いこみをなくせばいいのです。その人たちが演じてくれていることに感謝しましょう。おかげで、あなたは彼らという鏡の中に自分自身を見る機会をあたえられ、みずからそれを直接体験せずにすんでいるわけです。
どういう形であれ、あなたがほかの人に同情したり、共感したりするとき、あなたはもはやその相手から分離されてはいません。


前にも言いましたが、自分が嫌だと思うものが人であれ、状況であれ、何であれ、あなたがそれを見たり考えたり想像したりできるということは、それがあなたの中にもあるということです。あなたの中になければ、あなたはそれを見たり、それについて考えたり想像したりできないからです。何かに嫌悪感を感じたら、それが自分のグリッドの中にあって、自分はそれから逃げ出さないで体験する必要があるのだと気づくと、嫌悪感は自然になくなります。


マハルシ あなたは純粋意識なのです。グリハスタ・ダルマも世界も純粋意識の上に現れた単なる現象にすぎず、それは影響を受けることなくとどまります。


疑いが誰にとって起こるのかを見なさい。疑う者とは誰でしょうか? 考える者とは誰でしょうか? それは自我です。それをとらえなさい。
自我がどこから立ち現れるのかを見いだしなさい。それが純粋意識なのです。


「私は実現できるだろうか?」という疑いや、「私はまだ実現していない」という感覚自体が障害なのです。

(対話251)


あなたはそれがどんなものであっても、自分が選んだものに意識を集中する能力を持っています。どんなものにでも──無にでさえもです。とにかく、あなたはあらゆる瞬間に、何らかのものに意識を集中することを選んでいるわけです。光を望むのでしたら、自分の純粋な目覚めた意識を内側の光のあるところに向けてください。たえず変化しつづける外側にあるものに意識を集中しようとするのではなく、内側にある絶対的に安全なところ、現象界のエゴの波の満ち引きに引っ張られたりすることのない場所を見つけてください。


どんな教師の指示にしたがうのでもなく、自分自身でいることだ。なぜなら、あなたの「神なる自己」についてあなたに教えることができる者など、誰もいないからだ。つまり、彼らが教えることができるのは、彼らの「神なる自己」のことだけなのだ。自分の運命を成就するためには、本当の自分、あなた独自の自分にならなくてはならない。ほかの人間の生き方にしたがって生きようとすれば、あなたはけっして本当の自分にはなれない。あなたが誰なのか、そしてあなたの内面に宿るこの炎は何なのかを理解するただひとつの道は、自分自身の感情的な理解という真実を通してなのだ。


自分であるものをひたすら愛し、自分の内なる神に耳を傾けなさい。その神は、とてもかすかな声で語りかけてくる。


マハルシ 二元性と欲望の根本は外側へと向かう心です。


人は仕事を遂行する間、高次の力に自分自身を明け渡し、そのことを常に心に刻みこんで、けっして忘れてはなりません。そうするなら、いったいどうして得意になることができるでしょう? 彼は行為の結果に関心を持つべきでさえないのです。そうしたときにのみ、行為は非利己的となるのです。

(対話502)


人生の一日一日に目的があります。


テレビはたとえ故障していなくても、スイッチを入れない限り何も起きません。人は自分とテレビとの関係を明確に理解していますから、何も起きなくて当然だと思っています。そこで私があなた方に望むことは、テレビについてのすばらしい知恵のすべてを、もっと広い次元に応用し、「このすばらしい電磁流のスイッチを入れるのは、私の責任です」と宣言することです。


では、自分が本当に愛情深い人間かどうか、どうしたらわかるのでしょうか。あなた方にとって、その答えはあまりにシンプルすぎて、受け入れがたいかもしれませんが、こういうことです。自分の心をよぎるすべての人、自分の目の前に現れる人のすべてに対して、温かい思いやりの心とその人たちの気持ちを理解する心を持つことができたとき、その人は本当に愛情深い人ということができます。


相手は”神の大いなる光”で満ちているのだ、ということをつねに覚えていてください。そうした態度が、人の”存在”が持つ、言葉では表現できない神秘のなかから、愛の贈り物を引き出してくれます。あなたが彼らに贈り物を与え、その贈り物があなたのところに戻ってくるわけです。与えることと受け取ることは同じことです。あなた方はこの目的のためにおたがいを創造したのです。つまり、「本当の私たちは、自分たちが考えているようなものではない」ということを、おたがいに思い出させてあげるためです。



ディープラーニング


これだけは知っておきたい3つのこと


ディープラーニング(深層学習)とは、人間が自然に行うタスクをコンピュータに学習させる機械学習の手法のひとつです。人工知能(AI)の急速な発展を支える技術であり、その進歩により様々な分野への実用化が進んでいます。近年開発の進んでいる自動運転車においてもカギとなっているのは、ディープラーニングです。停止標識を認識したり、電柱と人間を区別したりするのも、ディープラーニングが可能にしている技術と言えます。また、電話、タブレット、テレビ、ハンズフリースピーカーなどの音声認識にも重要な役割を果たしています。近年ディープラーニングが注目を集めているのには理由があります。それはディープラーニングが、従来の技術では不可能だったレベルのパフォーマンスを達成できるようになってきているからです。


ディープラーニングの技術は、人間の神経細胞(ニューロン)の仕組みを模したシステムであるニューラルネットワークがベースになっています。ニューラルネットワークを多層にして用いることで、データに含まれる特徴を段階的により深く学習することが可能になります。多層構造のニューラルネットワークに大量の画像、テキスト、音声データなどを入力することで、コンピュータのモデルはデータに含まれる特徴を各層で自動的に学習していきます。この構造と学習の手法がディープラーニング特有であり、これによりディープラーニングのモデルは極めて高い精度を誇り、時には人間の認識精度を超えることもあります。


いかにしてディープラーニングはこれほど優れた成果をあげているのでしょうか。


ひと言で言えば、精度です。ディープラーニングは、かつてない高いレベルの認識精度に到達しています。高い認識精度は、家庭用電気機器の分野ではよりユーザの期待に応えることにつながります。また自動運転車のように安全性が最優先されるべき分野では、認識精度は何より重要な要素であると言えます。ディープラーニングは近年の進歩により、画像認識などのタスクにおいて、人間の認識能力を超えるまでになっています。


ディープラーニングが最初に理論として登場したのは1980年代ですが、近年になって注目を集めるようになったのには2つの理由があります。
1.ディープラーニングには大量のラベル付けされたデータが必要です。例えば、自動運転車の開発には数百万の静止画像と数千時間の動画が必要となります。これまでは、近年のように大規模なデータを入手することが容易ではなかったため、今ほど高いレベルの認識精度を実現できていませんでした。
2.ディープラーニングには高度なコンピュータの処理能力が不可欠です。高性能なGPUは、ディープラーニングに効率的な並列構成になっています。GPUをクラスターやクラウドと組み合わせることで、これまでは数週間を要したネットワークの学習時間を、数時間以下にまで短縮することができました。


ディープラーニングの応用例


ディープラーニングは自動運転から医療機器まで幅広い分野に活用されています。


自動運転:自動車の研究者はディープラーニングを使い、一時停止標識や信号機のようなものを自動的に認識させています。さらに、歩行者検知にも使われており、事故の減少に役立てられています。


航空宇宙・防衛:ディープラーニングは衛星から物体認識を行い、地上の部隊が安全なエリアにいるかどうかを判断するために使われています。


医療研究:がんの研究者はディープラーニングを使い、自動的にがん細胞を検出しています。UCLAの研究チームは、ディープラーニングの学習に必要な高次元のデータセットを作成する高精度な顕微鏡を構築し、正確にがん細胞を見つけ出しています。


産業オートメーション:ディープラーニングは重機の周辺で業務を行う作業者の安全性向上に役立てられています。人や物が機械の危険域内に侵入した場合、これを自動的に検出することができます。


エレクトロニクス (CES):ディープラーニングは、自動の音声翻訳に使われています。例えば、人の声に反応し、人の好みを学ぶことができるホームアシスタントデバイスには、ディープラーニングの技術が活用されています。


ディープラーニングの仕組み


ディープラーニングの多くの手法に、ニューラルネットワークの構造が使われ、そうした背景からディープラーニングのモデルは、ディープニューラルネットワークとも呼ばれています。


通常「ディープ」という表現は、ニューラルネットワークの隠れ層の数について言及しているものです。従来のニューラルネットワークでは隠れ層はせいぜい2~3程度でしたが、ディープニューラルネットワークは150もの隠れ層を持つこともありえます。


ディープラーニングのモデルは、大規模なラベル付けされたデータとニューラルネットワークの構造を利用して学習を行います。これにより、データから直接特徴量を学習することができ、これまでのように手作業の特徴抽出は必要なくなりました。


ディープニューラルネットワークで最もよく使われているのは、畳み込みニューラルネットワーク(CNNまたはConvNet)というネットワークです。畳み込みニューラルネットワークでは学習された特徴を入力データと畳み込みます。この2次元の畳み込み層が、このアーキテクチャを画像などの2次元データの処理に適したものにしています。


畳み込みニューラルネットワークでは、手作業での特徴抽出は必要ありません。画像分類に使う特徴量を探し出す必要もありません。畳み込みニューラルネットワークが画像から直接特徴抽出を行います。関連する特徴量は事前には学習する必要がありません。大量の画像データによる学習を通して学び取られます。この自動的な特徴抽出の仕組みにより、物体認識などのコンピュータビジョンのタスクにおいてディープラーニングのモデルは高い分類精度を持つことになりました。


畳み込みニューラルネットワークは、数十から数百もの隠れ層により、1つの画像に含まれる数々の特徴を学習していきます。層が進むにつれて、より複雑な特徴を学習します。例えば、最初の隠れ層ではエッジ検出など単純な特徴からスタートして、最後の層ではより複雑な特徴、特に認識したい物体の形状の学習へと進んでいきます。


機械学習とディープラーニングの違いとは?


ディープラーニングは機械学習のひとつの特殊な形と言えるものです。通常の機械学習のワークフローは、画像からマニュアルで特徴量を抽出することからスタートします。そして、抽出した特徴量を使って画像内の物体を分類するモデルを作成します。一方、ディープラーニングでは、特徴量は画像から自動的に抽出されます。また、ディープラーニングは「エンドツーエンドな学習」を実行できます。つまり、ネットワークは生の画像データと、分類など処理すべきタスクを与えられ、自動的にその処理方法を学習していきます。


もう一つの大きな違いは、シャローラーニングがデータの増加に対して性能が頭打ちになるのに対して、ディープラーニングではその性能がデータのサイズに対してスケールする点にあります。


ディープラーニングの大きな利点は、データが増えていくにつれ、しばしばその精度を向上させていくことができる点にあると言えるでしょう。


一般的な機械学習では、特徴量と分類器は手動で選択されるのに対して、ディープラーニングでは特徴量の抽出とモデリングは自動的に行われます。


機械学習とディープラーニングから最適な手法を選ぶ


機械学習には幅広い手法とモデルがあり、用途や処理するデータサイズ、解決したい課題のタイプに合わせて選択することができます。一方、ディープラーニングを成功させるには、データを高速で処理するためのGPUだけでなく、モデルを学習させるための大量のデータ(数千もの画像)が必要となります。


機械学習かディープラーニングを選ぶときは、まず高性能なGPUと大量のラベル付けされたデータがあるかどうかを確認して下さい。もしどちらかが欠けている場合、ディープラーニングではなく機械学習が適当と言えるでしょう。ディープラーニングは一般的に機械学習より複雑であるため、信頼できる結果を得るには少なくとも数千の画像が必要となります。より高性能なGPUがあれば、そうした大量の画像の学習に必要な時間はさらに短縮していくことができます。


ディープラーニングモデルの作成、学習方法


ディープラーニングを使用した物体認識には下記の3つの手法がよく使われています。


ゼロから学習する


ディープネットワークをゼロから学習するには、大量のラベル付けされたデータを集め、特徴量を学習しモデル化するためのネットワークを設計する必要があります。この方法は、新しい分野での応用や、出力するカテゴリ数が多い場合には有効ですが、大量のデータと学習時間が必要であることから、使用頻度はそれほど高くありません。通常、こうしたタイプのネットワークの学習には、数日から数週間といった長い時間を要します。


転移学習


多くのディープラーニングの応用では、学習済みモデルの微調整を行うタイプのアプローチとして、転移学習が利用されています。この転移学習では、AlexNetやGoogLeNetといった既存の学習済みのネットワークに対して、そのネットワークでは事前には学習されていないクラスを含むデータを与えて学習させます。その場合、学習済みのネットワークには若干の修正が必要となりますが、ネットワークの学習後には本来の「1000種類のカテゴリへの分類」の代わりに「犬か猫か」といった新しいタスクを行わせることができるようになります。この手法には、ゼロからネットワークを学習させる場合と比較して必要なデータ数がはるかに少なくて済むという利点があり(何百万ではなく数千の画像)、計算時間は数分から数時間程度に短縮されます。


転移学習では、既存のネットワークに対して切り貼りをしたり、新しいタスクに対して拡張を行ったりすることが必要となるため、ネットワークの内部構造にアクセスするインターフェースが必要となりますが、MATLAB®にはこうした転移学習を手助けするためのツールや関数がいくつも揃っています。


特徴抽出


やや一般的ではありませんが、ディープラーニングのより専門的な手法として、ネットワークを特徴抽出器として使用する方法があります。ネットワークのすべての層は画像からある種の特徴量を抽出する役割を持っているため、我々は推論の任意の段階でこうした特徴量を取り出すことが可能です。このようにして取り出した特徴量は、サポートベクターマシンなどの機械学習モデルへの入力として使用することができます。


GPUでディープラーニングモデルを高速化


ディープラーニングモデルの学習には、数日から数週間といった長い時間を要することがありますが、GPUを使うことで処理を大幅に高速化できます。MATLABをGPUと併用することで、ネットワークの学習に必要な時間を減らし、画像分類に必要な学習の時間は数日から数時間に短縮することができます。ディープラーニングの学習においては、MATLABを使うことで、GPUプログラミングの詳細を知らなくてもGPUを使いこなすことができてしまいます。



北朝鮮、数百万人に飢餓迫る 深刻な食料不足とWFP


【ジュネーブ共同】国連機関の世界食糧計画(WFP)は3日、北朝鮮の2018年の農業生産が過去10年で最低となり、深刻な食料不足から数百万人に飢餓状態が迫っていると発表した。約1010万人が十分な食料を得られておらず、国際支援が必要だとしている。


WFPは国連食糧農業機関(FAO)と共同で3月末から4月中旬まで北朝鮮で現地調査を実施。これに基づき公表した緊急報告によると、北朝鮮の18年の農業生産は約490万トンで、136万トンが不足している。19年春収穫の小麦などの生産見込みも良くないという。

共同通信社
2019/05/03 18:57


北朝鮮経済に関する9つのショッキングな事実


北朝鮮は、世界で最も謎の多い国の1つだ。


人口2500万人のこの独裁国家を、70年以上にわたって治めてきたのが金王朝だ。


北朝鮮経済は苦しい。だが、詳細なデータがないため、この国が具体的にどれほどの困難に直面しているかは分からない。


だが、平均的な労働者の年収が2000ドル(約22万円)以下であることや、人口の多くが栄養不足に陥っていること、国を逃れるために市民が1万2000ドル以上払っていることは分かっている。


北朝鮮経済に関する9つのショッキングな事実を紹介しよう。


1. 北朝鮮では、国民の40%以上が栄養不足


世界飢餓指数によると、北朝鮮で栄養不足に陥っている国民の割合は、2000年の37.5%から2018年には43.4%に増えている。


ただ、北朝鮮は世界で最も栄養不足の深刻な国ではない —— 199か国中、109位だ。


2. 北朝鮮では、インターネットが使えない


北朝鮮は、国民のインターネットへのアクセスを厳しく規制している。


デイリー・テレグラフによると、北朝鮮でわたしたちが使っているようなインターネットを使うことができるのは、政界の大物やその家族、エリート大学の学生、国のサイバー部隊で働く人々に限られている。


3. 北朝鮮には、数兆ドル相当の地下鉱物がある可能性が


オンライン経済メディアのQuartzによると、北朝鮮の地下には10兆ドル近い、もしくは6兆ドル以上ともいわれる規模の、豊かな鉱床がある。


これらの鉱床には、鉄や金、亜鉛、銅、グラファイトなど、200種類以上の鉱物が含まれている可能性がある。そして、中国や韓国で生産されているスマートフォンには、多くのレアメタルが使われている。


4. 金正日総書記は、年に80万ドルをヘネシーに使っていた


USニューズ&ワールド・レポートによると、北朝鮮の金正日総書記は年に80万ドル(約9000万円)をヘネシーに使っていた。


メーカーは1990年代半ばに、金総書記が世界最大のヘネシーのバイヤーだった時期があると明かしている。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。


北朝鮮では、ヘネシーはボトル1本あたり630ドルで売られている —— 北朝鮮の平均年収は、1000ドルから2000ドルの間と推定されている。


5. 北朝鮮には、2つの経済がある


共産主義の北朝鮮には、国営経済と地下経済がある。


6. 朝鮮統一の目玉事業は、390万ドルのハイキング・コース


2019年4月、南北交流協力推進協議会は南北間の非武装地帯(DMZ)にハイキング・コースを作るための予算390万ドルを承認した。


北朝鮮と韓国はDMZにあった監視所の撤去も進めている。


7. 北朝鮮のハッカーたちは、6億7000万ドル相当の外貨および仮想通貨を盗んだ


国連の安全保障理事会の報告書によると、北朝鮮ではごくわずかな人々しかインターネットにアクセスできないにもかかわらず、北朝鮮のハッカーたちによって6億7000万ドルの外貨および仮想通貨が盗まれているという。


中でも大きな被害を受けたのが、バングラデシュの中央銀行(8100万ドル)、インドのコスモス銀行(1350万ドル)、チリの銀行「バンコ・デ・チリ」のATMネットワーク(1000万ドル)だった。


8. 北朝鮮は違法行為によって、年に5000万ドルを稼いでいると見られる


ハッキングだけではない。北朝鮮は薬物を売ったり、偽札づくりといった違法行為によって、年に5000万ドルを稼いでいると見られる。


北朝鮮はこれを否定している。国連は、違法な資金が金氏の派手なライフスタイルの助けになっていると指摘している。


9. 脱北するのに1万2000ドルかかる


脱北するにはお金がかかる。そして、2011年に金正恩氏が国を率いるようになって以来、それはどんどん難しくなっている。


ワシントン・ポストによると、脱北者は韓国に逃れるのに、ブローカーに1万2000ドルを払う必要がある。この金額は、最大で1万7000ドルとの説もある。2012年頃には2000ドルや3000ドルと言われていたが、その後、跳ね上がっている。2000年代初めは45ドルで脱北できたと、人権団体は言う。


北朝鮮の人々の年収は2000ドル以下のため、脱北の唯一の現実的な方法は、すでに国を出ている家族から援助してもらうことだ。


最も一般的なルートは、中朝国境の川を渡ることだ。しかし、国境警備が強化され、北朝鮮から出ることはますます難しくなっていると、同紙は報じている。

BUSINESS INSIDER JAPAN
[原文:9 mind-blowing facts about North Korea's economy]
Pat Evans
(翻訳、編集:山口佳美)
2019/04/25 04:30


「本から学ばない人」と「読書家」の致命的な差
齋藤孝「読書の効用は疑似体験にある」


前回、「スマホを『1時間以上』見続ける人が陥る悪循環」で紹介したように、現代人の多くはネットやSNSを利用しすぎる傾向があります。自分なりにルールを定めて、ネットにのめり込む時間を減らした次はどうするか? 私は皆さんに本を読むことをお薦めしたい。


「沈潜する」時間を持つ


旧制高校の学生が使った言葉で「沈潜(ちんせん)する」というものがありました。自己研鑽すること、自分を磨くことを「沈潜する」と表現したのです。とてもいい言葉だと思います。


忙しい毎日、膨大な情報洪水に流され浮遊するのではなく、「沈潜する」時間を持ちたい。本を読んで著者と一対一で対話する。あるいは自分自身と対話する。作品の本質に迫り、グッと自分の深い部分や心の奥底に沈んで潜っていく感覚です。そこにはネットでの画像や動画の派手さや、SNSで短い言葉が飛び交う喧噪はありません。


静かな無音の空間、ゆったりとした時間の中で他者と出会い、自分自身と出会う。実際、海で潜った人はこの沈潜の雰囲気をよく知っているのではないでしょうか。3メートルも潜ると、もう外界の音は聞こえません。わずかな光が差し込み、かえって太陽の光の存在を強く感じます。沈黙の世界の中で、ゆったりと泳ぐ魚に出合ったりすると、思わず声を上げたくなるほど感激します。


まさにそんな心と精神の中に沈潜すると、今まで聞こえなかったかすかな音や、わずかな光に気がついたり、新たな発見や出会いがあったりする。今の世の中、「沈潜する感覚」があまりにも少ないように思います。人間の精神の深いところへ沈み込み、今まで気がつかなかった自分の無意識の世界、内面の世界を改めて発見する。それが「沈潜力」です。


毎日の1時間を「沈潜する時間」に変えるだけで、世界は大きく変わって見えてくるのではないでしょうか。深い世界に沈潜するということは、時間をさかのぼることでもあります。


過去の偉大な人格に触れ、時代を超えたつながりを持っている人ほど精神が強くなる。今の時代だけを生きていると、ちょっと弱い。例えば、はるか2500年前の仏陀とつながっている人は、人類史上最強のメンターを得たということでもあります。当然それは心が強くなるでしょう。


人間の苦悩は四苦八苦と呼ばれ、生老病死の4つに、愛別離苦(愛するものと別離する苦しみ)、怨憎会苦(怨み憎んでいる者と一緒にいる苦しみ)、求不得苦(求めるものが得られない苦しみ)、五蘊盛苦(肉体と精神が思うままにならない苦しみ)の4つが加わる。


これらはすべて煩悩(執着)から生まれ、その執着をなくすことで苦しみから解放されると仏陀は説きました。人間がなぜ苦しむか? そのメカニズムを説明し、どう生きるべきかを体系的に説いたのが仏陀でした。


その教えを知ることで、迷いの心が少しずつクリアになります。なるほど自分が苦しんでいるのは怨憎会苦だなとか、求不得苦からきているなと冷静に分析できるだけで、苦しみはずいぶん楽になる。


村田諒太が『夜と霧』から得たもの


ボクシング好きならずとも村田諒太選手を知っていると思います。ロンドンオリンピックのミドル級で金メダルを獲得。その後プロとして日本人で竹原慎二さん以来、2人目のWBA世界ミドル級チャンピオンに輝きました。


私はスポーツ全般が好きで、ボクシングもよく観ます。村田選手の試合も見ましたが、日本人には不向きだといわれている大きな体格の階級で世界チャンピオンになったのは、とんでもない快挙だと思います。


その村田前チャンピオンが、影響を受けた本の1冊として『夜と霧』を挙げていました。この本によって練習の辛さや試合の厳しさを乗り越えることができたというのです。


ドイツに住んでいた精神科医のヴィクトール・E・フランクルは第二次大戦中、ユダヤ人として家族とともに捕らえられ、アウシュビッツに送られます。想像を絶する過酷な状況で命を落とす人、精神的におかしくなってしまう人など極限の状況が繰り広げられる。


ナチスの係官がユダヤ人の行列に向かって一人ひとりを指さし、お前は右、お前は左と指示する。片方はガス室で、片方はまだ働けそうな人間だとより分けている。係官の指先一つで自分の生死が決まる。


そんな話が次々に出てくる。全部実話であり、著者は家族の中で唯一奇跡的に生き残った。精神科医として、フランクルはその状況を客観的に克明に描きます。


人間の命とは? なぜ人間はこれほど残虐になれるのか? 同じ環境でも理性を保つ人とそうでない人の違いは? 極限状態の中で問いかけた著者の言葉は、もはや第一級の文学であり哲学書です。


村田さんはその本を読むことで、どんなにつらい練習でも、まだまだ自分は楽なほうだ、恵まれていると感じられたそうです。アウシュビッツの地獄に比べれば減量のつらさも練習のきつさも比ではない。


なるほど、日本人では難しいといわれたミドル級で世界を制した秘密はここにあったのか。私の中で腑に落ちるものがありました。極限状態の著者の体験は、明らかに村田選手の心を打ち、心身共に強くさせたのです。


読書の効用は「疑似体験」にアリ


読書の効用の1つに疑似体験ということがあります。本を読むことであたかもストーリーに描かれていることを自分が体験した感覚になる。


精神的に成長し人格を陶冶するためには、経験を積むことが不可欠です。とはいえ、1人の人間が実際に体験できることは限られています。そこで有効なのが本であり、読書です。読書によって自分が実際に体験していないことも、ある程度追体験することができるのです。


この世には普通の人間がなかなか体験できないことや、体験したら終わってしまうことがあります。先ほどのアウシュビッツでの体験など、私たちができるものではありません。


体験したときは死んでしまうときでもある。死なないまでも体験したら社会的に終わってしまうこともあります。各種の犯罪などはその1つでしょう。ただし人間なら誰しも、何らかの過ちを犯してしまう危険が潜んでいます。それを疑似体験することで過ちの世界の苦しみを知り、過ちを避けることができます。


本を読み、深い沈潜の時間を持つことで、通常ではできない体験をする──。先ほどの村田諒太選手もアウシュビッツという疑似体験を通じて、自分を強くすることができたということです。


疑似体験という言葉を使いましたが、よい文学作品、古典的な名作となると、もはや疑似を通り越して自分の実際の体験のように感じてしまいます。文章や構成にそれだけ説得力がある。ストーリーに必然性があり、描写もリアルに表現されているからです。


大事なことなので、繰り返しますが、SNSを断ち、1時間でいいので別の世界に沈潜してみる。古典や文学作品に当てる。すると、それまで知らなかった世界を知ることになります。それは単なる情報ではない、著者が培った生きた知恵、深い人格です。そのとき初めて、世界はこれだけ広く深かったことを実感するのではないでしょうか。

齋藤 孝 : 明治大学教授
2019/03/06 6:30


このままだと“令和経済”は平成より厳しいワケ


新しい元号が「令和」と決まりました。


4月1日、新元号の告知があった日に、私は大阪で生放送のテレビ番組に出演していました。さっそく、司会者から「令和(時代)の経済のキーワードが何になるでしょうか」と聞かれたので、「変革」と述べました。


これは、変革があってほしいという私の願いとともに、日本が大きなリスクを抱える中で、変革をしなければジリ貧となりマズい状況になるという危機感の現れでもありました。


令和の経済を予測するためには、まず、30年あまりの平成の経済を振り返る必要があります。


平成経済はバブルとその崩壊から始まった


平成の経済は「バブル」の最終期でした。平成元年(1989年)の最後の営業日は、日経平均株価が3万8915円の史上最高値を付けた日です。平成元年の年末頃には「翌年(1990年)には日経平均は4万円台まで上昇」と言われましたが、年が明けると一気に日経平均は下落、その年の前半には2万円台まで落ちました。バブル崩壊の始まりでした。


地価も下落しました。バブルの数年間で、都内の住宅地では地価が4倍程度に上がったところもありました。それが平成に入り一気に元に戻るという急降下をしたのです。銀行は、不動産を担保にお金を貸していたので、「担保切れ」という融資が急増しました。金融界全体で100兆円もの不良債権を抱えてしまったのです。


それでもしばらくは何とか耐えてきましたが、結局、平成9年(1997年)11月には三洋証券、北海道拓殖銀行や山一証券が一気に破綻、翌年には、日本長期信用銀行や日本債券信用銀行などが相次いで破綻するという未曽有の金融危機を迎えました。結局、大手行の再編で、現在の3メガバンク体制になりました。


戦後最長の景気拡大とリーマンショック


金融危機で大きく体力を落とす中、日本経済にとってまたとない幸運が訪れました。米国では、普通なら貸せない低所得者にまで融資する「サブプライムローン」が開発され、その結果、住宅バブルが発生しました。それに伴い、米国経済の約7割を支える個人消費も年率7%台の伸びも記録しました。


また、ほぼ同じ時期に、欧州では通貨ユーロ登場によるバブルが発生しました。それまでは経済的に弱いスペインやイタリアは高金利だったのですが、ユーロが導入されたおかげで、金利が下がり、スペインでは住宅バブルが、イタリアでも高級車の輸入が増加しました。


そのおかげで、輸出国のドイツなども大きな恩恵を受け、EUは実力以上の成長をしました。当時の世界の2大市場である米国とEU経済にバブルが発生したのです。


さらに、そのおかげで中国経済が10%程度の成長を続けたのです。中国にとって米国やEUは大きな貿易相手地域ですから、両地域の成長は、中国経済にもとても良い影響を与えたのです。そのことが、瀕死の日本経済にも恩恵を与えました。日本からの中国への輸出や投資が急増したのです。平成14年(2002年)から19年(2007年)まで、成長率は低かったものの、戦後最長(当時)の景気拡大をしたのです。


しかし、バブルはしょせんバブルですから、バブルの崩壊が世界経済を襲ったのです。平成20年(2008年)にはリーマンショック、その後は世界同時不況やユーロ危機と、世界経済は大きな危機を迎えました。もちろん、日本経済も大きく後退しました。


避難通貨として円が買われたことで円高となりグローバル企業の業績がさえず、また、民主党政権の出現と経済政策の停滞、さらには、平成23年(2011年)3月の東日本大震災などにより、日経平均も一時、7000円台まで落ち込みました。


「異次元緩和」という時限爆弾


平成24年(2012年)12月に自民党政権が復活し、翌25年(2013年)4月からは「異次元緩和」とまで言われた日銀の金融政策が始まったのです。当初2年間で、インフレ率を2%にまで上昇させるということでしたが、なかなかそれはかなわず、緩和を拡大しながら、マイナス金利政策まで導入していますが、結局開始から6年たっても、インフレ目標は達成できていません。


その間、今年の1月まで景気拡大が続いていれば、平成14年~19年までの期間を抜く「戦後最長」の景気拡大となりますが、こちらは、金融緩和という「カンフル剤」の影響とともに、主には、リーマンショック後に成長を続けた米国や中国経済の拡大に支えられた部分が大きいと私は考えています。


異次元緩和開始時135兆だったマネタリーベースは500兆に


そして、何よりも注意しなければならないのは、平成25年(2013年)の異次元緩和開始時には135兆円だったマネタリーベース(日銀券+日銀当座預金)が、なんと現時点で4倍近い500兆円にも達していることです。


それだけじゃぶじゃぶに資金を供給しているのです。


その裏では、政府が発行する国債の半分程度にも上る470兆円以上の国債を日銀が保有しており、さらには、日本企業の株式も大量に日銀が保有しています。非常に大きなリスクを日銀が取っているのです。一方、それをいいことに、政府が国債残高を増加させています。対名目GDP比の財政赤字は約200%と、先進国中最悪です。


一方、金融機関はマイナス金利で疲弊しています。特に地方の金融機関は、有力な貸出先が少ないうえに、余った資金を国債で運用できないということもあり、収益力を大きく落としているのが現状です。


考えるだに恐ろしい“令和経済”のジリ貧


短期的には、米中摩擦などがあり、また、景気循環的にも米国や欧州経済もそろそろ拡大が終わってもおかしくない時期です。中国経済も強力な経済対策を採っているものの、以前のような力強さはありません。そうすると、中国や米国経済に大きく依存する日本経済にも少なからぬ影響が出ます。しかし、その際には、日銀は、もうほとんど打つ手はありません。マイナス金利を「深掘り」しても、金融機関がさらにしんどくなるだけで、効果も大きく期待できません。


そして、もう一つ認識しておかなければならないのは、中国経済が長期的にも成長率を落としていくということです。一人っ子政策のせいで、2011年以降、労働力人口が減少を続けており、そのせいで成長率が鈍化しているのです。今後も鈍化する可能性は高いでしょう。これは日本経済にも影響を与えることは必至です。


こうした環境の中、令和が始まるのです。


気分的には、新しい元号や来年の東京オリンピックで気分を大きく変えたいところですが、平成の時期に、世界の中での経済の地位を大きく落とした日本経済が、リカバリーを果たすのはそれほど容易でないことは想像に難くないことです。


10月には消費税導入も控えています。もちろん、AIやロボットの発達など、明るい材料もありますが、人口減少や高齢化はますます進みます。多少の犠牲を伴う、徹底的な「変革」が待ったなしで必要なのではないでしょうか。


日本の医者が"効かない薬"を処方する理由


米国には「ムダな医療」を列挙したリストがある。医学会が「不必要と思われる医療行為」を自ら発表しているのだ。一方、日本ではこうした動きはみられない。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏は「日本こそ、ムダな医療を解消するメリットは大きい」という――。
※本稿は、室井一辰『続ムダな医療』(日経BP)の一部に加筆、再編集したものです。


多くの人が医療機関に怒りを感じている


私は20年近く、医療や生命科学などの世界で取材と情報発信を続けてきました。私のこうした立場は家族や友人、知人には知られており、ときおり病気の相談を受けてきました。


2019年になってからも「病院を3カ所ほどハシゴして診断がつかないが、どうすればいいのか」「臓器に腫瘍があるそうで、今度手術だという。どう判断すれば」などの話を受けたばかりです。


いろいろ話を聞いていると、想像以上に多くの人が散々な目に遭っている。さらに言えば、医療機関に怒りまで感じていることがある。そう気がつかされてきました。


身近な人が病気になると、いまではまず、インターネットを使って医学的な知識を深めようとする場合が多い。インターネットにはあらゆる情報があふれています。ですが、玉石混淆の膨大な情報の海の中から、正しいものを見つけるのは困難を極めています。


日本語の医療情報は、基本的な情報は多いのですが、専門性の高い、本当に悩む人にとって役立つ情報は乏しいのです。結局、疲れ果て、私のところに相談に来ている。基本的に、そういう流れで話を受けることが多くなります。そうした国内外の情報充実度の格差に問題意識を持っていました。

2019.4.20
小宮 一慶
PRESIDENT Online


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