私はよく、「どうすればこの『止めた(stopped)』状態に留まることができますか?」と訊かれます。


でも「止める」というのはある状態を指しているのではありません。


沈黙(silence)、静寂(stillness)も然りです。


これは非常に重要な違いです。


あなたには頭の中を比較的落ち着いた状態にできますし、身体をリラックスした状態にすることもできます。


けれども私がここで言っている静寂とは、本質的に決して動かないものなのです。


それはいつでも「止まって」います。


すべての理性活動、行動は、この決して動かない静けさの中に現れ、存在し、そして再び消えていきます。


すべての状態には、始まりがあり、経過があり、そして終わりがあります。


それは、幸福だったり悲しかったり、非日常的だったり日常的だったり、高揚していたり沈滞していたりします。


けれども、状態とは無関係の存在、それがすなわちじっとして動かない静寂です。


意識とはすなわち静寂です(Awareness is stillness)。


そしてあなたはすでに、この静寂なのです。


あなたの理性は、理性の活動について、またはどうすれば活動を止められるかについて、忙しく考えているかもしれません。


でもそれはみな、どんな状態でもない存在、つまり静寂そのものの中で起きています。


決して変化しない静寂、それが、意識的に繰り返すことのできるものであるとか、あなたにうまくできなかったりするものであるとか、そういった考えをあなたの頭の中から追出すことができれば、静止したもの、存在そのものが、つまりあなた自身であるということがついにあなたにはわかるはずです。


静止「したい」という衝動は理性の活動から来るものであり、理性の活動は、静止の中で起きているのだということに気づいてください。


この静けさは、死んでいるのでも空っぽなのでもありません。


それは意識(consciousness)そのものであり、気づき(awareness)そのものなのです。


そしてあなたがそのawarenessです。


「静止しなくてはいけない、静止していよう、どうして自分は静止することができないのだろう?」という思考、それを観察し、経験しているのは、この静寂そのものです。
(弟子G)



さて、あなたが眠っているところを想像してみなさい。一人の美しく好ましい女性が部屋の中に入ってきて、あなたのベッドに座るとしよう。だが、あなたは彼女を好ましいと思わない。彼女を望みもしない。なぜなら、あなたは眠っているからだ。彼女は立ち上がって部屋を去っていく。彼女がそこにいる間、あなたは彼女を受け入れることも拒否することもなかった。彼女はあなたに何の印象も与えなかったのだ。それはあなたの心が彼女の影響を受けず、彼女が好ましいかどうかという選択をしなかったからだ。



次に、ある男がやってきて、あなたに喧嘩を売りつけようとする。彼はあなたに対して怒っていて、喧嘩をするつもりで来た。彼はあなたがベッドで眠っているのを見て、しばらく待ってからそこを立ち去る。
「戻ってきて、彼が目を覚ましたときに、思っていることを告げよう」と考えながら。
あなたはこの人を受け入れることも拒否することもなかった。「私は彼を受け入れる」あるいは「私は彼を拒絶する」という考えは起こらなかった。なぜなら、あなたの心がそこになかったからだ。あなたはただ眠っていただけだ。



もしあなたが目覚めたとき、心をのけておけば、同じように生きることができる。誰かが来て、「ああ、あなたはなんといい人だ!」と言ったとしても、飛び上がってその言葉に浮かれることなしに聞きなさい。
あるいはその同じ人が、「おまえなど嫌いだ!」と言ったとしても、同じように反応せずにいなさい。私は、「心の中では傷つき腹を立てても、その屈辱を無視しなさい」と言っているのではない。私は、屈辱の言葉が心に届かず、それに反応することもない状態について話しているのだ。もしその状態にとどまれるなら、あなたは褒められても微笑み、屈辱を受けても微笑むことだろう。



これが目覚めた眠りの状態だ。心が不在だという点では、それは眠りと同じだが、世界を見てそれに対処しているという点では目覚めている。



月は空にある。私はそれに叫びかけ、唾を吐きかけることもできる。私はそれを礼拝し、花を投げかけ、賛歌を歌うこともできる。私の行為によって月は影響を受けただろうか? いいやまったく受けなかった。それはただ輝きつづけるばかりだ。私たちが良いふるまいをしようと悪いふるまいをしようと、喧嘩をしようと瞑想をしようと、月は何の影響も受けない。それは空についても同じことだ。私たちは空の中に座っている。四つの壁の中には空がある。私たちは瞑想しているかもしれない。あるいは何か他のことをしているかもしれない。私たちが何をしようと、あるいはしなかろうと、空は影響されないままだ。私たちが存在しようと不在であろうと、空にとっては何の違いもない。これが四つの壁の中にある空間なのだ。


あなたはすべての物事が現れては消え去るその空なのだ。物事があなたなのではない。あなたは世界の活動にも無活動にも影響されない。物事が存在しようと不在だろうと、あなたにとっては何の違いもない。あなたは常に空なのだ。
(師匠P)
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